2009年度(第24回)日本鳥類標識協会全国大会松前・白神大会

開催要項・講演要旨集

2009年度第24回日本鳥類標識協会全国大会開催にあたってのご挨拶
北海道 松前・白神大会へ ようこそ!

大会事務局長 林吉彦

北海道の最南端に位置する白神岬。北海道と本州を渡る多くの鳥たちがこの白神岬を経由していきます。その白神岬に続く後背地に、環境省松前・白神2級ステーションがあります。初・夏・秋・初冬と移り変わっていく季節を追うかのように、様々な種類の鳥たちが通過し、標識調査の対象となります。また、9月中旬から始まるハチクマ・ノスリなどのワシ・タカ類の渡りでは1日に数千もの個体が、白神岳周辺の上昇気流をつかまえて遥か津軽の山並みをめざす様子や、10月にはシジュウカラ・ヒヨドリの大群が波間を縫うように津軽海峡へ飛び出していく様子が観察されます。ここ松前・白神は、まさに、生命の躍動を間近に感じられる場所なのです。
今回、第24回全国大会の事務局を引き受けることになった「道南バンディング研究会」では、白神岬周辺で20年以上、継続した標識調査を実施しています。北海道以北で?殖を終えた成鳥や若鶏が、7月中旬のエゾムシクイを皮切りに11月下旬のミソサザイ・カヤクグリまで、次々とやってきては越冬地をめざして渡っていきます。松前・白神ステーションの大きな特徴は、対象となる種類の多さにあります。1日に20種以上を放鳥することも珍しくありません。また例年8月11日〜24日に実施しているモニタリング調査の主人公は、エゾムシクイ・センダイムシクイ・コルリです。ここ松前・白神の調査から、真夏に“秋の渡り“が始まっていることが明らかになっています。今大会のエクスカーションでも、ムシクイ類やコルリ、さらにはコノハズクも調査の対象としています。
9月の上旬といえば、本州以南では残暑の厳しい季節です。そんな中、北海道のすがすがしい空気を吸いながら、ふだんなかなか会うことのできない全国の仲間と交流を深める機会をもてたことは、私たちにとっても大変ありがたいことです。
また今大会の開催にあたって、地元松前町では快く講演会場を引き受けてくださりました。北海道唯一の城下町(=日本最北の城下町)は、昔から海の食材には事欠きません。イカ刺し・ウニ・アワビ、それに本マグロ!渡り鳥だけでなく、北海道最南端の自然をまるごと堪能していただければと思っています。
十分な準備もできない中で開催の日を迎えることになってしまいましたが、特別講演を引き受けてくださった小城春雄先生、道内各地より駆けつけて準備・運営に協力していただいた北海道バンダー連絡会の皆様に心より感謝の意を表するとともに、お集まりいただいた皆さんが、充実した2日間を過ごしていただくことを祈念し、大会事務局を代表して挨拶とさせていただきます。

2009年度(第24回)
日本鳥類標識協会全国大会(松前・白神大会)日程

1.    開催日 2009年9月5日(土)〜6日(日)
2.    会場  大会:松前町民総合センター(北海道松前郡松前町字神明30番地)
         交流会・宿泊:温泉旅館矢野(北海道松前郡松前町字福山123番地)
         エクスカーション:松前・白神ステーション(北海道松前郡松前町白神天狗山)

3.    
日程

   9月5日(土)
    14:30 受付開始
    15:00 開会行事(大会事務局長挨拶・松前町長挨拶・事務局連絡)
    15:10 講演会
     一般講演 
       1.「松前白神ステーションにおける夏鳥早期飛去群に関する音声解析の試み」 佐藤 理夫
       2.「松前白神天狗山2級ステーション夏季モニタリング調査経年変化の概要」 一北 民郎

     特別講演 「海鳥の生態と渡り」   =北海道大学名誉教授 小城 春雄 氏=
    17:40 総会
         <総会終了後 矢野旅館へ移動>
    19:00 交流会

   9月6日(日)
     5:45 旅館出発
     6:00 エクスカーション<松前・白神ステーション>
       ・ ステーション見学(概要説明・網場見学) ・標識調査
       ・ 朝食 ・記念撮影
     9:00 下山
    10:00 講演会
     一般講演
       3.「日本産シマアオジEmberiza aureolaの亜種の検討」 茂田 良光
       4.「礼文島におけるサシバの標識と観察記録から」 富川 徹
       5.「奥尻島標識調査の報告」 猿子 正彦

  11:20 閉会行事 (大会事務局長挨拶・事務連絡)

                        

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