2008年度第23回日本鳥類標識協会大会報告用サイト               2009年8月31日版
 以下の企画は、バンダーニュース No.39(2008年10月)の標識協会大会に関する記事に基づいており、またこの報告の内容は、改訂したものをバンダーニュースNo.49(2012年4月)でも紹介しました。
    このサイトのURL http://www3.alpha-net.ne.jp/users/jbbajbba/2008taikai.htm


                         日本鳥類標識協会第23回大会(京都仁和寺御室会館)の開催報告
                             京都大会実行委員会委員長 須川 恒


 日本鳥類標識協会第23回大会は2008年12月13日(土)〜14日(日)に京都市右京区の仁和寺御室会館で開催されました。師走の忙しい時期でしたが、全国各地から74名(1都1道2府25県)が参加され、おかげさまで充実した大会の場を持つことができました。夜には雨は降っていましたが両日ともよい天気で多くの小鳥たちが庭を舞っていました。
 私の冒頭の挨拶では、徒然草に描かれた仁和寺の法師の「先達はあらまほしきかな」の話をしました。各地で活躍している先達のお話を謙虚にうかがうことが、せっかく麓まで来ているのに目的とする山の上を見ずに帰ることを防ぎ、豊かな内容のバンディング調査の実現につながります。
 今回の大会では、両日ともまず京都らしさが感じられる話題提供からはじめていただきました。下坂玉起さんに茶道に使う羽箒の羽毛の解明について、また中村桂子さんに密猟対策についてお話ししていただきました。いずれも野鳥調査の最前線にいるバンダーがお手伝いできることが多そうです。
 今回開催したシンポジウムのテーマは「再捕獲でわかった事、わかる事−鳥類生態解明におけるRp,Rt,Rcの役割−」でした。リカバーに限らずリピートやリターン情報、再捕獲の機会を活用して渡りの生態解明をどうすすめることができるのかについて、梶田学さんの企画説明からはじまり、7名が実例を紹介し、課題をさぐりました。各講演者の要旨はこのサイトをごらん下さい。また、見えてきた今後につながる課題については、まとめてこのサイトで紹介します。課題として示した内容に関して有益なリスポンスをいただければ、またこのサイトで紹介できます。つまり、シンポジウムはこのサイトで続けることができるわけです。
 あらためて思ったことは、はっきりしたテーマを決めて、シンポジウムを構成することの大切さです。鳥類の多様な渡り生態は、さまざまな切り口から解明していく必要があります。どのような切り口があるのかについて、いくつか明瞭なイメージをもっておけば、今後の大会の際のシンポジウムのテーマとしても活用できることでしょう。
 2日目は一般講演の時間を設けました。15分の講演要旨付の9名の発表以外にも、5分間の短い報告を8名の方にしていただきました。また1日目の懇親会の後に、発表会場を使えるようにしてありましたので、パワーポイントも使った自主的な発表が続きました(少なくとも8名の方がこの場で発表されていました。大会をお手伝いいただいた若手研究者からも種子分散と鳥の関係など、自分の研究内容を簡単に紹介していただきました)。隣の部屋では、懸案のカムチャツカ共同調査の報告の相談を深井宣男さんを中心に行いました。そんなわけで、お酒を楽しむ二次会のほうは少し人数が少なかったのですが、多くの方にとって有益な情報交換の場をもてたのではと思います。
 会場の一部には机を並べ、その上に標識調査の便利グッズ(カモの保定具、適正足環サイズ測定具など)や、各地の定期出版物などの展示がされました。私は本年出版され最近入手したIan Newton著のぶあつい「鳥類の渡りの生態」の本を置き(円高で結構安く購入できます)、多くの方が手にとってご覧になっていました。
 今回は早朝の網場紹介の時間は設けませんでしたが、御室会館宿泊者の特典として、6:30から国宝の金堂におけるお勤めに参加できました。約20名の方が参加され、まだ暗い本堂の中から響く声明に、おごそかな気分を味わうことができました。大会終了後、多くの方(宿泊者には無料チケットがもらえました)が御殿や庭園を見学しました(襖絵に結構多く鳥の絵が描かれていました)。さらに、京都の観光を楽しんで帰られた方もおられます。山階鳥類研究所標識室の4名らと私は、鳥研の創始者山階芳麿氏の菩提寺である山科区勧修寺(かじゅうじ)を訪問することができました。私の住んでいるところから近くのこのお寺が、山階鳥類研究所と深いつながりがあることを知って驚きました。
 なお、今回の大会開催にあたり、風間会長をはじめ各地の会員の方々、地元の関係者の方々に多くの協力をいただき盛会に終えることができました。ありがとうございました。


                 2008年度(第23回)日本鳥類標識協会全国大会の内容

1.開催日 2008年12月13日(土)・14(日)

2.会場 仁和寺御室会館(にんなじおむろかいかん)
〒616-8092京都府京都市右京区御室大内33番地
 (Tel) 075-464-3664  (Fax) 075-464-3665
 (HP) http://www.ninnaji.or.jp
*)御室会館(仁和寺内の南東角)
*)大会会場:本館地階 会議室。
*)宿泊:本館1,2階。
*)食事・懇親会:本館1階 和食堂『梵』

3.大会スケジュール
1日目(12月13日)
13:00-13:30 受付
13:30-13:35 開会の挨拶(大会委員長)
13:35-13:50 話題提供(下坂玉起さん)
13:50-16:25 シンポジウム
 「再捕獲でわかった事、わかる事−鳥類生態解明におけるRp,Rt,Rcの役割−」
16:25-16:35 休憩
16:35-17:35 総会
17:35-18:00 自由時間(部屋の確認など、入浴など)
18:00-20:00 懇親会
20:00-24:00,懇親会二次会+夜の自由発表会+カムチャツカ会議,,

2日目(12月14日)
6:30-7:30 (朝のおつとめ参加(声明)・見学など)
7:30-9:00 朝食
9:00-9:15 話題提供(中村桂子さん)
9:15-10:30 一般講演
10:30-10:45 休憩
10:45-12:20 一般講演
12:20-12:30 閉会の挨拶
12:30-13:00 写真撮影
(会場片付け)

・日本鳥類標識協会京都大会事務局 狩野清貴(事務局長) 梶田学 梶田あまね 脇坂英弥 ほか


  大会は終了しましたが、以下の情報は来年以降大会を企画される方の参考として、また京都を訪問される協会員のための参考情報として当分掲載しておきます。

・一般講演
 一般講演;口頭発表のみで「発表12分、質疑2分30秒」と、「発表5分、質疑なし」の2タイプを行いました。
 12分発表の方は、要旨(A4版の縦置き)があり。会場ではパソコンとPCプロジェクターを用意しました。
 今回はOHPやスライドでの発表の申し込みはありませんでした。

・参加費
 参加費は,参加される項目の組合わせによって,以下A〜Cの3パターンがあり、事前に郵便振替口座に振込んでいただきました。お手数をかけましたが、会計がスムーズにいきました。ありがとうございました。
 A. 大会および懇親会参加+宿泊(1泊2食付):13,500円 [先着60名まで受け付け]
 B. 大会および懇親会参加のみ(宿泊なし):7,500円
 C. 大会参加のみ(懇親会,宿泊なし):2,500円

・大会会場へのアクセス(御室会館はとてもよい会館でした)
<バスで>
 JR京都駅から京都市バス26番で「御室仁和寺」下車 所要時間約40分
 JR京都駅からJRバス高尾・京北線で約30分
 京阪電車、三条京阪駅から市バス10番または59番で約40分
 阪急京都線、阪急大宮駅から市バス26番で約25分
*京都市バスの時刻表、路線図。
 http://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/index.html
<電車で>
 JR京都駅より山陰線にて円町駅まで→市バス26番で約10分
 JR京都駅より山陰線にて花園駅まで→タクシーで仁和寺まで約5分
 (JRで京都市内駅下車が可能な方は京都駅から山陰線で円町駅か花園駅下車でおこしください)
<嵐山電鉄で>
 京福電鉄嵐山線(嵐電:らんでん)といえば、鉄道好きのノーベル賞受賞者田中耕一さんが、勤め先の島津製作所(西大路三条駅)と家(蚕の社(かいこのやしろ)駅らしい)の間を通勤する際に、運転席のすぐ後ろに立っていたとか。
 大阪方面から阪急に乗ってくる人は、大宮駅下車で四条大宮駅から乗ると、西大路三条を通り、
地下鉄東西線太秦天神川駅からの人(大阪から京阪電車の人は三条駅で東西線に乗り換える)
は嵐電天神川から乗り、蚕の社を通り、帷子ノ辻(かたびらのつじ)駅で北野線に乗り換え、
御室仁和寺で下車します。
※嵐電の路線図および各駅周辺の解説
 http://www.keifuku.co.jp/randen/information.html

<車で>
 名神京都南インターより約40分、名神京都東インターより約40分
 運転してこられる方は参加申込の際にその旨お申し込みいただき、仁和寺の東門から入った宿泊者専用駐車場へ
お止めいただけました。

*有料駐車場は,仁和寺のすぐ東側にあります。
<(追加情報)仁和寺近くの有料駐車場情報>
 御室会館敷地内の駐車場がいっぱいになっても時間貸し駐車場というのが結構あります。交通がやや不便なところですと、一日最大700円や800円の場所が出てきます。場所によっては一日500円という所もありますが、朝早くに満車になっています。
 駐車場は、Yahooの地図などで検索して探していただくとでてきます。
 タイムズ http://times-info.net/map/search.php?map1=26&map2=26101&scl=&pg=30&lk=0


 大会参加者のための3ページの京都探索情報を大会要旨集に掲載しました。この情報は以下のサイトを
参考にしました。 

   仁和寺の紹介 ウィキペディアによる → http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%81%E5%92%8C%E5%AF%BA
   仁和寺御室会館の詳細 → http://www.ninnaji.or.jp/syukubou/index.htm

  ・仁和寺近くの嵯峨野の観光地を訪問する
      著名な観光地が多数あります。
      http://www.keifuku.co.jp/randen/information.html
    帰りの便もよいのが二条城です。数多くの襖絵(ハクガンや猛禽類のものもあります)を鑑賞することができます。
    地下鉄東西線二条前駅より徒歩。
     http://www.city.kyoto.jp/bunshi/nijojo/index.html
  ・山階芳麿氏の菩提寺である勧修寺(かじゅうじ)の訪問
    勧修寺(地下鉄東西線天神川駅より六地蔵行の乗車。小野駅下車。西へ徒歩6分。帰りは山科駅から京都駅へなど)
    ウィキペディア 勧修寺 → http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%A7%E4%BF%AE%E5%AF%BA
    京都新聞の参考記事:
    http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008080300022&genre=J1&area=K00
  ・鴨川のユリカモメ:標識鳥の観察および東山を越えて琵琶湖へ戻る様子の観察。
    地下鉄東西線天神川駅より六地蔵行の列車に乗車。三条駅下車。鴨川の河川敷を北上。
    御池→丸太町→荒神橋と歩く。荒神橋西詰めあたりが東山を越える様子の観察適地。
  ・宇治川のツバメの集団塒などができるヨシ原や南に広がる巨椋干拓地の観察。
    上記の三条駅下車。京阪電車急行などで中書島駅で乗り換え宇治線観月橋駅下車。
    橋を渡り、右折して左岸堤防上を約20分あるいた地点付近。帰りは南の巨椋干拓地から近鉄向島駅より京都駅へ。


  ・京都周辺の探鳥地情報は、日本野鳥の会京都支部のサイトをごらんください。
      http://www.mmjp.or.jp/WBSJ-Kyoto/kyotoinfo/tanchouti.html
  ・12/12から嵐山周辺で”花灯路”というイベントが行われ、渡月橋やお寺等のライトアップとミニコンサート
      など、楽しそうです。下のHPを覗いてみて下さい。
      http://www.hanatouro.jp/index_a.html
  ・毎月15日は、知恩寺(通称、百万遍さん)の手づくり市。
      http://www.eonet.ne.jp/~hyakusan/8)tedukuri/new_page_5.html
  ・南座で12月恒例の歌舞伎の顔見世興業を観劇する。
    南座は、地下鉄東西線天神川駅より六地蔵行の列車に乗車。三条駅下車。鴨川左岸を四条まで下り、四条橋東詰。
    以下の南座のサイトから情報を見て予約をしてください(安い料金の席で双眼鏡持参で観劇もいいかも)。
    http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kyoto/2008/12/post_12-ProgramAndCast.html

 京都には多くの宿があります。大会後滞在をする方のためにちょっと特色のある宿のサイトを紹介しておきます。
 まずは今回の会場でもある御室会館も含む京都の宿坊を紹介しているサイト
   http://syukubo.com/spot/05kinki/011syukubo_kyotoshi.html
   仁和寺御室会館の宿泊者の声もあります。6:30からのお勤めへの参加をしてすばらしい響きの声明を聞いたとのこと。
   声明とは → http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A3%B0%E6%98%8E
   なお大会参加者全員に仁和寺の御殿庭園の無料入場券が進呈されますので、ぜひご覧ください。
   妙心寺大心院の紹介もあります。最近案内した米国人鳥類学者が泊まってとても気に入っておられました。
 ユニークな町屋風の宿「胡乱(うろん)座」
   http://www.uronza.com/j-about_us.htm
 外国からのバックパッカーが泊まるようなタイプの宿も最近増えています
   http://unohouse.fte.jp/shoukai.htm
   http://kshouse.jp/kyoto-e/access/index.html
   

   

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