日本鳥類標識協会ホームページ作成の手法と構想
ホームページの裏庭

須川恒(2004年11月29日初版 
2011年12年5日更新:更新内容 5の中部屋の(9)日本の近隣国の標識調査
2013年10月19日更新:更新内容 多くあります。
2014年2月24日:2014年4月からの移行・更新についての説明を追加


                目次
1.日本鳥類標識協会のホームページ作成の基本的考え方
2.協会のホームページの構成 テーマ別の部屋を作成
3.部屋を作成する考え方 地方別の標識調査を例に
4.大会などのシンポジウムを活用した部屋の作成
4−1.シンポジウム「北陸地方における標識調査」とホームページ
4−2.シンポジウム「標識調査の意義」とホームページ
4−3.ホームページの部屋作成に利用できそうなシンポジウム
4−4.シンポジウムの企画、進め方とホームページの部屋の作成
5.ホームページの中部屋の構想
6.そのほか(著作権表示やリンクの考え方など)
   リンクの考え方


1.日本鳥類標識協会のホームページ作成の基本的考え方

 以下は標識協会会員にむけてのメッセージです。(リンクとお気に入りへの登録については文末をお読み下さい)
 日本鳥類標識協会ホームページは、2003年大会における評議委員会および総会で了承され、準備のためのメーリングリスによって、協会のホームページ作成の手法について検討、2004年11月27日日本鳥類標識協会大会総会の了承を得て公開したものです。2014年1月からは協会ホームページ委員会委員として須川恒・澤祐介・仲村昇・三原学・植田潤の5名が会長より委嘱を受け作成を支援しています。
 2014年3月31日までは以下のURLですが、alpha-netの終了にともない、別net会社で独自ドメインを取り、2014年4月1日からは新URLに移行します。
 http://www3.alpha-net.ne.jp/users/jbbajbba/     →  http://birdbanding-assn.jp/

 標識協会のホームページ作成の当初の基本的な考え方は、標識調査の意義を明らかにして標識調査の鳥学的・技術的な向上をめざして各地の標識協会会員が連携してつくっていくというものです。標識協会が契約しているアルファネットに協会のサイトを開きました(当初の容量は15MBまででした)。アルファネットは別会社(DTI)に統合され、このURLのホームページは2014年3月までしか使えず、当初からかんがえていたドメイン名取得や容量も多い別会社に移行することになりました。
 このサイトに必要な情報をアップするととともに、各地の標識協会会員がその部分にあたるものを各人のサイトに開き、標識協会のホームページと相互リンクを張ることで、標識調査に役立つ大きなサイトをつくっていくという基本的な構想に変化はありませんが、容量も多くなったので協会のホームページとして開くことができる部分はとても大きくなりました。。
 最近はメールアドレスを持っている人は極めて多くなっていますが、無料で開くことができるホームページ(以前は10〜20MB程度だったが現在は100MBを越える場合も)を利用している人はまだ少数です(2004年から10年たちましたが、ウェブを受け身で利用する人が多い現状は変わっていません)。ホームページビルダーなどのソフトを購入して、作成法を判っている人に少し手ほどきを受けると簡単にホームページを開くことができます。 自分ではまだホームページを開くことができない人でも、以下で述べるような企画をたてる人となって、ホームページを開くことができる人と協力しあうことでもホームページを開いていくことができます。

2.協会のホームページの構成 テーマ別の部屋を作成 (2014年4月1日より)

 標識協会のindexページ(最初のページ)は日本語版と英語版に分かれるだけのページです。ここから日本語版のトップページ(以下トップページに入ります)。英語版は日本鳥類標識協会のホームページの概要を短く説明し、日本鳥類標識協会誌の報文の英文タイトル一覧を見ることができるようになっています(この一覧は2006年まででその後の一覧の追加または改訂が必要です)。カラーマーキングの部屋のうちいくつかの種については海外からの人もアクセスできるようにしています。
 標識協会の日本語版のトップページは、以下のような大部屋構成となっています。
(1)日本鳥類標識協会の紹介:協会の基本的な活動情報を含む部屋
(2)鳥類標識調査の意義/啓発ツールの部屋
(3)日本鳥類標識協会誌の部屋
(4)日本鳥類標識協会 全国大会
(5)カラーマーキングにかかわる窓口となる部屋
(6)地方別の鳥類標識調査の部屋
(7)ホームページ作成の裏庭
 さらに、さまざまな構想の(中)部屋を設けて、各地の人々の発信の窓口をつくっていく予定です。
 それらの構想を示した文「日本鳥類標識協会ホームページ作成の手法と構想」(この文)に入る形となります。

(3)の日本鳥類標識協会誌の部屋は協会誌編集委員会によってしっかりした部屋ができています。
各号の目次、投稿規定、またJ-STAGEとリンクして最近号の内容にアクセスできるようになっています。
過去の全号のPDF化も予定されています。投稿を誘うためページの作成、英語版の作成などが課題となっています。
(4)では過去の大会について、2003年以降の大会について講演プログラムや講演要旨が読めるよう
になりました(2006年大会までは協会誌に講演要旨が掲載されています)。今後の大会も追加予定です。
(5)カラーマーキングにかかわる窓口となる部屋については、あたらしい種の追加、掲載種の更新が
課題となっています。また水鳥については、東アジアオーストラリア地域水鳥フライウェイパートナー
シップの国際プログラムとしてカラーマーキング情報が集約されており密な連携が必要な状況です。
 
3.部屋を作成する考え方 地方別の標識調査を例に

 部屋の作成を、どのような考え方で、すすめていくかは部屋によって若干異なりますが、基本的
に共通する考え方があります。 その内容を、地方別の標識調査の部屋を例にとって説明します。

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(6)地方別の標識調査の部屋(中部屋)  
 趣旨:地方別に標識調査の概要がわかる小部屋を多くもって各地方においてどのような
意義の標識調査をおこなっているか、その概要を知ることができる部屋。
 小部屋の実例は以下。
北陸地方(福井・石川・富山3県)における標識調査
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 地方別の標識調査の部屋は、地方単位に標識調査の活動を紹介する部屋です。それぞれの
地方別の小部屋は、地方別の活動をまとめる企画者がたちあげて、標識協会のホーム
ページからはこの小部屋にリンクするという形をとります。
 実例としてあげた北陸地方(福井・石川・富山3県)の標識調査を紹介した小部屋を
ご覧下さい。
 北陸地方の標識調査の小部屋を訪問すると、この地方の標識調査の概要を知ることができます。
また主要な調査活動に関してはその内容を知ることができます。いくつかの調査活動(織田山、
片野鴨池、中池見湿地)については、関連するウェッブサイトも示されていますのでさらに詳細
を知ることができます。


4.大会などのシンポジウムを活用した部屋の作成
4−1.シンポジウム「北陸地方における標識調査」とホームページ

 この小部屋の内容は、2003年11月福井県大野市で開催された日本鳥類標識協会大会
の際のシンポジウムをもとに作成されました。
 シンポジウムを開くにあたって、まずシンポジウムの開催趣旨と講演予定者とタイトルを示した
プログラムが準備され、各講演者は大会前までに講演要旨を事務局に送付し(講演要旨集を作成
する資料ともなります)、この開催趣旨と講演者・タイトルを示したページに各講演者の要旨をリンク
したページを大会開催事務局の三原学様が自分のホームページを作成しているサイトに開きました。
 大会終了後に、シンポジウムの際に得られた追加情報や、明らかになった課題などを開催趣旨文
に書き加え、また各講演者にも、必要な修正を書き加えてもらい、この小部屋が完成し、
日本鳥類標識協会のホームページの地方別の標識調査の部屋から相互リンクを張ることで地方別
の標識調査の部屋にある一つの小部屋となったわけです。
 今後、自分の活動している地方について、その標識調査の活動情報をまとめようという方が、さらに
多くの地方別(地方の切り方はいくつかの都道府県をまとめるか、標識調査が活発な都道府県は
一つの都道府県に限定するとよいでしょう)の小部屋を自分のサイト内に開いていただければ地方別
の標識調査の部屋は充実していくことになります。
  2004年大会時のシンポジウム「東北地方における標識調査」のページが2011年に追加されたため、
地方別の標識調査の部屋は裏庭から表庭に出ました。
 2011年3月11日に東日本大震災による津波などにより多くの沿岸の調査地が被害を受け、2013年
大会のシンポジウムでは宮城県の調査地についての報告もありました。このような内容を地方別の
ページに加えることも重要と考えます。
 また活発にまとまって活動している地域(北海道や新潟など)からの情報を得てページをつくるか、
それらの地域で作成していただいたページとのリンクが考えられます(2013年10月16日追加)。

4−2.シンポジウム「標識調査の意義」とホームページ
 さらに例を示しましょう。トップページにある(2)「標識調査の意義」は、2001年度の標識協会大会
のシンポジウムにもとづくものです。標識調査の意義はさまざまな側面から述べることができること
を、このシンポジウムの企画者である深井宣男様が整理する中で、個々の詳細の内容を各講演者
の講演要旨から知ることができるという構成となっています。 ビジュアルな図も多く含まれており見
やすくなっています。このサイトは深井様のホームページの一部に開かれ、標識協会のトップページ
との間で相互リンクを張ることで、標識協会のホームページの重要な一部を構成していました。
 これから標識大会を開催される地方の企画者の方は、ぜひ地方別の部屋が充実するような企画を
心にとめておいていただきたく思います。何がその地方のキーとなる調査活動かを考える際には、
標識調査の意義の部屋で述べられている様々な視点に留意することが役立つと思います。例えば、
北陸地方の標識調査の場合は、長期的モニタリング(織田山1級ステーション)、湿地保護(中池見湿地、
片野鴨池、石川県の砂浜海岸)、国際交流(富山県とロシア沿海地方、片野鴨池)といった点につ
いての調査活動を紹介した講演がありました。

4−3.ホームページの部屋作成に利用できそうなシンポジウム
 過去の大会時にも、「ヨシ原と標識調査」「カラーリングの意義と成果」「猛禽類の調査」「発信機による
鳥類の調査」などのいくつかのテーマのシンポジウムがありましたので、当時のシンポジウムの企画者
が自分のサイトにその資料を生かして部屋を構成していただければ(各講演者には最新情報も入れて
要旨の書き直しをしていただいてもよいでしょう)、標識協会のページに適当な中部屋を設けてその
一部として相互リンクを張ることができます。
 標識協会大会は年1回ですが、日本鳥類標識協会誌や協会のバンダーニュースで特定のテーマの
特集(誌上シンポジウム)を企画し、その情報を生かしてホームページの部屋とすることができます。 
ホームページの場合は、カラー写真なども容易に掲載できますし、なんといってもさまざまなサイトへ
のリンクができますので、協会誌やバンダーニュースで掲載することが困難であった素材も生かした
形で構成ができます。
 また、標識協会に直接関係がなくても、バンダーが多く参加している日本鳥学会大会の場や、地方
の懇談会など(例えば近畿地方には日本鳥学会員近畿地区懇談会があります)の場、あるいはバンダー
の交流会(西日本では西日本バンダー交流会という会を年1回ほど開催しており「標識調査と亜種」
「鳥類の計測」「鳥インフルエンザと標識調査」といったテーマのシンポジウムを開催しています)を生かして、
同様の手法でホームページを構成することができます。
 一例として、2004年11月に奈良女子大で開催された日本鳥学会大会の自由集会として行われた
「カラーリングによるカワウの標識と参加型調査について考える」を紹介します。企画趣旨と10人の発表者
の講演要旨が、以下のサイトに掲載されています。
 http://www.bird-research.jp/1_katsudo/jiyu/2004.html (バードリサーチのホームページより)
 このサイトは、トップページに掲載されている(5)のカラーマーキングの部屋の中にあるカワウの小部屋(福田道雄様による)の中(eの項目)に関連ウェッブサイトの一つとしてリンクが張られています。
 
4−4.シンポジウムの企画、進め方とホームページの部屋の作成

 上述の実例で理解していただけたと思いますが、標識協会ホームページの作成法は、中部屋や
小部屋の企画者が、まずその部屋の企画書を書くことからはじまります。
 そして、その企画の中の部分となる小部屋や、小部屋の場合はいくつかの講演要旨などが部分として
リンクされて示されるという形になります。シンポジウムなどの開催とつなげることができれば一挙に
その部屋ができることでしょう。 
 シンポジウムを企画するにあたっては、少し込み入ったテーマの場合は、まず誰かに基調講演をして
いただき、その問題の広がりのレビューをしていただくとよいでしょう。次に数名の方に、事例報告をして
いただくと、そのテーマの面白さや今後の課題などがはっきりしてきます。最後に少し違う視点から、
関連する報告などがあると、その部屋の構成が非常に立体的になってきます。今までばらばらに聞い
ていた話であっても、短時間にまとめて話を聞くと、そのテーマの広がりや深まりが把握できることでしょう。
もちろん、講演後の討論や、参加票に書き込まれた参加者のコメントなども大切です。
 シンポジウムが終わると、企画者は企画書をたたき台にして、シンポジウムで出た意見や、はっきりして
きた今後の課題などを書き加えることによってシンポジウムの概要報告を書き、これがこの部屋の
トップページにおかれる文書となり、さらに詳細を知りたい人は、概要報告の中に含まれている各人の
報告のタイトルをクリックするとさらに講演の要旨を読むことができるということになります。要旨を書く人
が、主要な関連文献などとともに、関係が深いウェッブサイトを示してリンクを張っておけば、さらに詳細
な情報を得やすいページとなるわけです。
 シンポジウムが終わってからホームページを作成しようとしてもよほどの努力をしないとできないものです。 
シンポジウムを開くまでに、開催趣旨とプログラム、講演者の要旨を掲載したページを開いておくことが、
シンポジウムを利用した部屋づくりを成功させるコツです(発表する人も相互にどういったことを話される
かの概要がわかるので調整がスムーズにいきますし、参加者もより関心を持って参加できるようになり
ます)。シンポジウムが終わってから、手直しをしてより判りやすい部屋に改善していくことは容易です。
 シンポジウムの参加者の多くの意見を反映した視野の広い部屋となっていくわけで、作っている人も
楽しみを感じることができ、またシンポジウムに参加して意見をのべた全員が、その部屋をつくる共同
作業をしたという実感を持つことができることでしょう。
 シンポジウムを使った部屋のつくりかたについて長く書きましたが、これは1999年から日本鳥学会
大会の場を利用してはじめている、東アジア地域ガンカモ類フライウェイネットワーク支援鳥学者グループ
(JOGA)のシンポジウム(自由集会)で採用している手法です。2011年までの14のテーマによるシン
ポジウムが中部屋となっている様子を以下のサイトからご覧いただけます。なお、冒頭のガンカモ類
の絵を描いているのは、日本鳥類標識協会のホームページの冒頭の絵を描いている植田潤様です
(感謝!)。
 
5.ホームページの中部屋の構想

  まずは(1)〜(6)の部屋をまともな形にすることが目標ですが、以下のような部屋の構想が
あれば、たいていの小部屋はおさまるのではないかと考えています。
・鳥類標識調査の啓発のためのポスターや活動を掲載する部屋 (2013年10月16日追加)
  これは以前から部屋として置いてましたがほとんど進展がなくまともにすることが課題でした。
  2013年10月の協会湖北大会において共催された湖北野鳥センター/琵琶湖水鳥・湿地センター
では、「鳥類標識調査」について啓発するための展示コーナーを設けました。一般的な解説以外に、
野鳥観察者が興味を持つ工夫がしてあります。この展示の報告をまずはしたいと思います。
その中にはこの部屋のコンテンツとなりうる多くの素材がありと思います。

・ 標識調査における鳥学的課題の部屋
 この部屋は次の識別マニュアルと連携する構想です。
亜種・雌雄・年齢・換羽などの切り口でそれぞれの小部屋を設け、その基本的な考え方や識別の
ポイントにおける鳥学的課題を明瞭に把握しておこうという趣旨の部屋です。
 まず、基本的な形態情報として、日本鳥類標識協会は、日本産鳥類各種の体重、翼開長、全長に
ついての情報収集を行ってきました。既往文献では、明らかになっていなかった情報が把握されて
います。この内容については協会誌(2008年)に中間報告がされていますが、その意義を明らかに
するためにも今後この部屋で紹介していきたく思います(※)。
 ※(2013年10月16日追加)
  2010年9月11日の評議員会議事録より
  「測定値の収集」 日本鳥類標識協会誌の2008年2号に、1回目の報告を行った。
     日本産鳥類の測定値(第1回報告).日本鳥類標識協会(2008)20巻第2号:98-106.
←まずこの論文のデジタルファイル化が課題。

  その後、2009年12月までのデータ入力状況は以下のとおりで、データベース化
 一歩手前の段階である。ある程度まとまった時点で2回目の報告を行う予定。
   協力者 13名 体重  141種5,572例、 全長  122種1,522例、 翼開長 113種1,328例 」
   
 亜種と標識調査については、2000年に西日本バンダー交流会でシンポジウムを開催し、
また日本鳥学会員近畿地区懇談会の企画として「雌雄判別に関しての鳥学的課題」についてのミニ
シンポを行ったことがあります(2004年4月)。このようなシンポジウムの構成を生かしてこの部屋を
構成していくことが可能です。
 2004年初春に大きな社会的関心を呼んだ高病原性鳥インフルエンザがきかっけに、感染症と
標識調査の関係が話題となり、2004年7月に西日本バンダー交流会で「鳥インフルエンザなどの
感染症と標識調査」についてのシンポジウムを開催しました。この切り口の小部屋も暫定的にこの
中部屋に置いておけばと考えています。

・識別マニュアルの部屋(2013年10月16日書きなおし)
 全国のバンダーは、種・亜種・雌雄・年齢などの識別に日々悩んでいて、種別の識別ノートを
作成しているバンダーも多くいます。これらの勉強の成果を種別の識別シートにまとめて公開して
情報の共有を図って調査の際に役立てるとともに、未解決の課題を把握していこうという部屋です。
また識別マニュアルは、野鳥観察における識別情報として参考になる点が多く、多くの野鳥観察者
と鳥類標識調査の連携をする上で重要な課題です。
 どのような識別マニュアルが必要かは、既にある識別マニュアルについての情報(標識センター
作成のもの、Birderの記事、CDの形で作成されている地方のものなど)を種別に整理することが
とっかかりの課題となります。
 識別ポイントについての情報の多くは既にありますので、課題はコンパクトに必要な情報を網羅
した判りやすい識別マニュアルの作成かと思います。どのような種や識別ポイントが必要と考える
かは、地域や扱っている鳥種によって異なっているため、地方別あるいは鳥類グループ別にどの
ような識別マニュアルがあると便利かを把握する作業も重要となってきます。
 後者は、識別マニュアルを作成しようとするモチベーションを高める上で重要な作業と考えます。
 例えば、識別マニュアルの作成に向けて総合的に議論をするシンポジウムを企画すれば、この
ような作業は大きく進むことでしょう。各地方の「歩く識別マニュアル」のような方々に、それぞれの
地方における工夫や課題を発表していただき、どういった識別マニュアルがあるとよいかを把握
することなどが考えられます。
 バンダーがかかわる種は多くありますが、まずは科別に1種づつ、次にめぼしい属ごとに1種づつ、
あるいは全国的に標識数の多いベスト30種といった種の識別ノートをサンプルとして作成してみる
とイメージが沸くことでしょう。
 2011年10月にスベンソンの識別ガイドの翻訳本が出ました。
 以下のようにこの本の価値を紹介するページをつくっておきたく思います。
 http://birdbanding-assn.jp/J07_HP/Svensson.htm

・日本の近隣国の標識調査の部屋
 (2013年10月16日書き直し)
 趣旨・使命

 日本の近隣国の標識調査事情とともに関連サイトとリンクを張って、特に日本に関係の深い、
東アジア・オーストラリア・アラスカに至る地域のネットワークや主要な調査活動がわかる部屋
とするものをめざします。まずは、各国の標識調査事業を把握することが課題となると思います。
  日本鳥類標識協会主催の海外調査(カムチャツカ、サハリン、韓国、台湾など)の報告は重要な
パーツとなります。実際に共同調査を進めることによって、その国の標識調査の機関・関係者・実情
・課題などがリアルに把握できます。これからも海外との共同調査を進めていくことが重要と考えます。
しかし協会の企画だけでは、共同調査の対象となる国や地域は限られています。協会が進めて
きた調査だけでなく、今後の海外共同調査の重点を決めて提案したり、さまざまな機会を生かして
協会員が交流を計る際の基礎情報を提供してくれる部屋であり、またそれらの活動を生かして
更新をしていくという趣旨です。当面は、日本語による情報をまとめることに力をいれ、英文とする
ことによって各国の人々にも役立つ情報としていくことをねらっています。
 2014年に東京(立教大学)でIOC2014(国際鳥学会大会)が開催されます。この大会を契機に、
日本の近隣諸国との鳥学関係者の交流(特に若手)を計っていく必要があります。各国において
標識調査事業は、その国の鳥学のコアな人々と連携しておこなわれており、近隣諸国のバンダー
との交流をベースに鳥学者(基礎研究、保全研究など)の交流を図ることも使命となるでしょう。

 対象とする国(地域)

 EURINGは世界の標識調査事業の連絡先を以下のように紹介しています。この中には東アジア
(+オーストラリア)地域の国も多く含まれています。これらの各国(特に日本の近隣国)についての
現況の情報を今後この部屋で紹介したく思います。各国の標識情報に詳しい方のご協力を
お願いします。
 ユーリングに所属していない国は以下
 http://www.euring.org/national_schemes/non_euring_schemes.htm
  上記に掲載されているユーリングに所属していない国で日本および日本の近隣国として重要なの
は、日本、モンゴル、韓国、中国、香港、台湾、フィリッピン、マレーシア、シンガポール、インドネシア、
オーストラリア、ニュージーランド、ベトナム、タイ、米国 といったところでしょうか。
 ユーリングに所属している国は以下です
 http://www.euring.org/national_schemes/contact_schemes.htm
 この中ではロシアが重要です。ロシア全体と日本に関係の深い地域別(カムチャツカ、サハリン、
沿海地方など)の把握が必要です。

 各国別に紹介したい情報の項目

 それぞれの国単位にページを作成して、以下のような項目の情報を記入していくというスタイルにしたい
と思います。情報量としてはA4版が1〜2枚というところでしょうか。
・国名(地域名)
・標識調査事業の連絡先(上記のユーリング提供の情報を紹介する。この過程で更新情報が判ればまとめて
ユーリングにも連絡してあげる)
・その国の標識調査事業に関するウェブサイトがあれば、そのサイトを紹介する。
・国単位の標識調査事業の小史
 この部分は、その国の中心人物に問い合わせてまとめてもらう必要がありますが、まずは協会の関係者で
紹介できる部分を埋めていく必要があります(サンプルとしての日本も必要でしょう)。1960年代までの事業は
Maclure氏が、MAPSの報告書にまとめている国別の情報から抜粋する(→この部分について協力していた
だける方はお申し出ください。PDFファイルにして送れるようにしたいと思います)
 1970年代から現在までの小史について。
 一部の国については標識協会誌に吉井正氏が紹介されていたと思いますので引用ができると思います。
・現状についての様々なQ
 金属足環はどのように作成しているのか。どのような番号システムなのか。
 標識調査事業による捕獲調査を行っているのか? 年平均 種、羽
 どのようなグループの鳥が多いのか
 主にどのような場所で調査を行っているのか
 調査者の人数はおよそ何名か
 調査者の主たる所属、法的資格や訓練内容
 回収記録はどの程度あるのか
 回収記録の情報伝達は主にどのようにされているのか
 標識調査情報はデータベース化されているのか その管理者は誰か
 衛星発信機などのハイテク調査は実施されているのか
 カラーマーキング調査についてはどうか
 標識調査事業にかかわる出版物はあるか
 標識調査事業にかかわるウェブサイトはあるか
 標識調査事業にかかわる協会や団体、定期的会合はあるのか
 標識調査従事者の訓練のプログラムや場はあるのか
 その国の鳥学関係者との交流について
 標識調査について過去の日本との共同調査などの活動の記録、今後その国でどのような共同調査
が課題となるか

 多国間の枠組みの活用を

 既存の枠組みについて

 これらの国々のいくつかには二国間の渡り鳥条約や協定があって交流が進んでいますが、渡り鳥を
媒介とした多国間の条約のようなもの(ボン条約というのがあります)は一部の国にしか加盟していません。
しかし、水鳥のフライウェイに関しては、湿地保全の国際環境条約であるラムサール条約加盟国が主催して、
ネットワークを結ぶ国際プログラムが進行しています。
 http://www.biwa.ne.jp/~nio/ramsar/ovflyw.htm 
 http://www.jawgp.org/anet/jg012.htm
  このプログラムの流れで、この地域(東アジア・オーストラリア地域)における水鳥のカラーマーキングに
関する情報を集約して公開しようとの作業が進んでいます。この作業には多くの標識にかかわるセンター
がかかわってきます。(5)カラーマーキングの部屋の英語版ページは、この作業と密接にかかわってきます。
 渡りをする水鳥へ焦点をあてると、日本国内にも多くの水鳥センターや湿地センターがあって、調査や
啓発活動をしています。また、そういったセンターのスタッフの一部は標識調査にもかかわっています。
国際的観点から湿地の価値を啓発するうえで、渡り鳥の役割はとても大きいです。湿地の価値や水鳥
の魅力を伝えるネットワークという観点も必要です。
 WLI(Wetland Link International)のサイトは以下です。日韓共同調査と深い関係がある韓国釜山の
エコセンターの情報も掲載されています。
 http://whooper.wwt.org.uk/wli/regional-partners
 http://whooper.wwt.org.uk/wli/regional-partners/asia/nakdong-estuary-eco-centre-neec

 これからの枠組みについて

 まずは上記の既存の枠組みを生かした活動を充実させることが一番です。その中ではEURINGの
ような枠組みを持つことが重要となってきます。 当面、カラーマーキング(水鳥以外も含める)の
調査者間の調整や、観察情報収集のためのポータルサイト構築といった課題について先行すると
イメージが沸くと思います。

とりあえずのリンク集
※ロシア極東における渡り鳥に関する研究者のサイト
1)カムチャツカのニコライ・ゲラシモフ氏関係
Герасимов Н.Н. и А.И. Герасимова共著によるシジュウカラガン回復計画の20年についての本
http://www.knigakamchatka.ru/nauchnye-trudy-nauchno-populyarnye-izdaniya-kamchatki/nauchno-populyarnaya-literatura-kamchatki/gerasimov-gusyami.html
ここにPDF版があり全部がWebで見ることができる。
http://www.knigakamchatka.ru/pdf/gerasimov-gusyami.pdf
2008年にゲラシモフ氏はカムチャツカ北東部にあるカラギンスキー島の本を出している。
http://www.terrakamchatka.org/gerasim.htm
1960年代の彼の青春時代にカラギンスキー島にかかわっていた。
2)ハバロフスク州国立ブレインスキー保護区
 ここに小鳥類の標識調査をして換羽について調べている女性研究者がいる。
 http://zapbureya.ru/
 最寄りの町は Chegdomyn で、この町から Google map で北東へ。
 http://zapbureya.ru/biserov/biserov1/avtor.htm
  Medvedeva Elena Aleksandrovna さん
  主たる関心 - ornithology, primary scientific interests - moulting and its place in the annual cycle of passerine birds
  連絡先は zap_bureinski( AT  )mail.ru  代表アドレス
  
・鳥類の種別・類別の標識調査の部屋
 鳥類の1種や、特定の鳥類のグループについて、標識調査が深くかかわる渡り習性の情報や、
生息地の保護などにかかわる関連する生態調査などを含め、シンポジウムや研究会が開催されることが
よくあります。それらの情報を紹介する部屋です。「コアジサシの生態」「猛禽類の調査」についての
シンポジウムがありましたので、そういった素材を生かして小部屋ができるのではないでしょうか。
 シギ・チドリ類、ツル類、ガンカモ類については、東アジアからオーストラリア地域のラムサール
条約締約国が中心になって、フライウェイを支える生息地保護をはかる計画を作成しさまざまな活動
をしています。 ガンカモ類については、前述したように、この計画を支援する日本の鳥学者のグループが、
毎年開催している研究会の内容をウェッブサイトで公開しています。
http://www.jawgp.org/anet/jgprop.htm 。

・鳥類の生息環境別の標識調査の部屋
  これは例えば「ヨシ原と標識調査」のように生息環境のタイプ別に標識調査にかかわる情報を
まとめて課題を探るものです。生息環境別の保護や啓発にかかわる多くの人々と連携するためにも
こういった部屋が大切と思います。
 干潟、森林、里山、離島、都市

  2013年10月12日日本鳥類標識協会湖北大会で「鳥類標識調査と湿地保全」についてのシンポジウムをしました。
  1995年の豊岡大会では「ヨシ原と鳥類標識調査」についてのシンポジウムをしています。
  「湿地」という生息環境についてまず明らかにしたいと思います。

・標識調査における調査手法・調査情報まとめについての部屋(2013年10月13日追加)
  これは「カラーリングの意義と成果」「発信機による鳥類の調査」といったシンポジウムの
テーマにもあらわれている課題をまとめるものです。カラーリングについては(5)のカラーマーキング
の部屋に標識情報の窓口をつくっていますが、さらにカラーマーキングの作成法などについては
この部屋でまとめて扱うのがいいかもしれません。もちろん詳細な情報については、関係者相互
での連絡が必要ですが、大まかな部分については、一般の方の関心も高いと思われますので、
この部屋で紹介すればと思います。
 ページ例 http://birdbanding-assn.jp/J05_color_ring/colourringsmaking.htm
 もう一つ、バンダーにとって結構重要な課題となっているのは、デジタル化された情報のテクニック
に関する手法です。
 バンダーは調査計画の提出、調査結果の報告をする必要があります。提出や報告は紙ベースの
書類でなく、デジタルフィルであればいろいろと便利です。
 調査結果を、どのようなデータベースファイルを利用して入力して、どう取りまとめればよいかに
ついての共通する課題があります。
 標識センターに報告する最小限必要な情報についてのフロー、さらにさまざまな目的で行う独自の
調査でとった項目のデータをどのようデータベース化
するか、またどのように整理・分析するかについて手掛かりとなる情報を扱う部屋と言えます。
 緯度経度が判る地点情報をビジュアルな図にしたいがどのようなソフトをどう使えばよいかといった
情報も多くのバンダーが知りたいテクニックです。

6.そのほか(著作権表示やリンクの考え方など)

いくつかの点について
・ホームページのデザインはもっと美しくできると思います。そういう能力をお持ちの方の協力の申し出
を待っています。
・作成の素材となるものはまだまだあると思います。小部屋にあたるホームページが開いている、あるい
はこれから開く予定であるといった情報があれば連絡して下さい。みなさまの協力のお申し出を待っています。

・山階鳥類研究所保全研究室(標識センター)のホームページはもちろん、標識調査の事業主体である
環境省の情報公開のページとも密に連携して標識調査の成果や意義が広報できる役割を果たすつもりです。
公開される情報の量・質を高めるためにも、協会のホームページ内容が重要になってきます。
・著作権表示:以下のような注意を書くつもりです;『みじかい引用以上の許可なしの全ての素材の他の場所
への無断使用はお断りします。引用する場合も、素材の多くは公表文献をもとに構成されていますので、
できるだけ元となる文献名(雑誌、報告書、学会大会やシンポジウム講演要旨集など)からの引用をお願いします。』

リンクの考え方:この手法と構想で書いている考え方の相互リンク関係を育てることを最優先とします。なお、リンクすべきでない場所にリンクしていた場合は変更しますので、HPの管理人(個々のページの管理人)に申し出て下さい。
 リンクフリーにするというかどうかは、まだ決めていません。標識協会の趣意をふまえてを一般的にリンクをする場合は、カウンターがまわるように、indexページにリンクを張って欲しいと思っています(個人の方が「お気に入り」に登録する場合もインデックスページへの登録をお願いします)。また個々のページにリンクを張りたい場合は、そのページにリンクを張ったあとに(日本鳥類標識協会のホームページから)とリンク場所を明記し、( )内のようにインデックスページへのリンクを張る形にして欲しいと思っています。 逆に、こちらから個々のページにリンクを張る場合も、なるべくこの考え方でいきたいと思います。

・e-mailアドレスの表示:スパムメール(ホームページからアドレスを自動採取しておくりつけてくる)の対策をして
表示します。いくつか対策はあるようですが、かなり確実なアドレスをロゴ化(以下の例参照)して示します。
・鳥関係のホームページをつくると、鳥関係のいろいろな情報の問い合わせ先にされてしまって大変だ
ということを聞いたことがあります。ホームページは個々問い合わせなくても自動的に知りたいことが判る
ようにする仕掛けでもあり、標識協会のホームページもそのような役割を果たすものと育てていきたく
思っていますので、皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
                                         須川恒連絡先  CXD00117(add)nifty.ne.jp

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