日本鳥類標識協会趣意書

                                        日本鳥類標識協会誌 Vol.1 No.1,1986:p20-21  



  鳥類標識調査は、渡り経路・寿命・生存率・配偶関係など鳥類の生活の解明に関して他の方法では決して得ることのできない、信頼度の高い資料を得ることができます。こうした鳥類標識調査の重要性から、欧米のいわゆる鳥学研究の先進国では盛んにこれを実施しており、資料の蓄積に努めています。
 我が国の鳥類標識調査の歴史は、大正13年(1924年)に農商務省(後に農林省)により開始されたのが最初で、その後、戦争により一時期中断されましたが、昭和36年(1961年)に再開、現在まで継続して実施されてきました。所管が環境庁に移った昭和47年(1972年)以後、調査実績は著しく向上し、最近における年間総放鳥数は10万羽におよぶようになり、鳥類の移動や渡りに関して従来の誤った推測が訂正されたり、数多くの新しい知識が得られたりしています。
 また、標識調査の重要性に対する理解は一般にも次第に広まるようになり、県その他の公共団体から野鳥保護や防除に関して標識調査の資料を要望する向きも多くなるなど、標識調査で得られる資料に対する一般社会からの必要性は高まりつつあります。
 しかし、我が国における標識調査資料の蓄積はまだ不十分ですので、今後も一層努力して標識調査の拡大・充実を図らねばなりません。
 こうしたいろいろな問題を解決して日本の標識調査の健全な運営と発展を図り、鳥類の保護・管理に寄与するために、バンダーおよび標識調査を理解する人で構成する団体を設立することになりました。
 協会を設立することにより一人一人のバンダーの技術向上や情報収集に大きな助力となるものと思われます。また、バンダー相互の交流・親睦にも大きく役立ち、ひいてはバンディングによる各種の成果が我国における鳥類の基礎研究・応用研究、あるいは保護・行政などに対して今より一層貢献できるようになるものと信じます。多くの方々のご参加あるいはご理解・ご支援をお願い申し上げる次第でございます。
 本会は、次の活動を行います。

               日本鳥類標識協会の活動

(1)会誌の発行
 標識調査による調査・研究報告、各地の標識調査情況、標識技術に関する研究調査報告、海外標識調査情報、内外文献紹介、会員欄、会務事項、その他を掲載(会員無料配布)する。
(2)研究会等の開催
 技術向上・会員相互の親睦を目的とする研究会・懇親会を開催し、また必要に応じ標識調査員およぴ指導員養成のため講習会を開催する。
(3)マニュアル・技術書の発行
 蓄積した標識調査資料を基礎として標識マニュアル、あるいは標識技術参考資料を編集し、発行する。
(4)協同調査
 全国各地のバンダー多数の連携作業によって著しい効果が期待できるテーマを選び、実施し、発表する。
(5)外国標識機関等との交流
 機関誌の交換などにより、外国の標識関係資料を収集し、会員その他に伝達する。
(6)財源
 協会の財源は、会費・寄付金・その他の収入による。

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