2011大会講演要旨04
行徳野鳥観察舎におけるセグロカモメのカラーリング調査
佐藤 達夫(千葉県)
日本全国に冬鳥として普通に飛来するセグロカモメだが、その生態はあまり知られていない。日本での標識放鳥数は1961年から2006年まで38羽にすぎず、放鳥された個体が確認された回収例は数例しかない。
千葉県市川市行徳野鳥観察舎において、2007年から環境省の金属足環のほかに白いプラスチック製のカラーリングを装着し、調査をおこなっている。
2007年-2008年に12羽、2008年-2009年に7羽、2009年‐2010年に14羽、2010年‐2011年に13羽を標識放鳥した。
その後の観察記録から千葉県銚子漁港を経由して観察舎に現れる個体がいることが数例確認されている。また、昨シーズン春の渡りの際にも銚子漁港を経由する個体が確認された。放鳥場所である観察舎での昨シーズンの観察記録では、以前に放鳥した33羽中27羽が観察され、およそ8割の個体が観察舎に帰ってくることが確認されている。
本年以降も継続して調査を実施し、情報を蓄積し生態を解明していきたい。