ジオロケータを用いた渡り調査の紹介

仲村 昇(山階鳥類研究所)

 ここ数年、鳥類の渡り研究の新手法として脚光を浴びているジオロケータについて紹介します。
 ジオロケータは各種データを蓄積するデータロガー(記録機)の一種で、光センサーが感知したデータから日の出と日の入り時刻を特定し、そこから緯度と経度を算出します。この原理のロガーは以前からありましたが、ここ数年で1グラムを切るまでに小型化されました。これまでほぼ不可能だった小型〜中型鳥類の渡り研究に使える重さになったことで、現在世界の研究者が競って各種の鳥の渡り研究に取り組んでおり、今後さまざまな報告が相次ぐと予想されます。
 このロガーを用いた渡り研究は、位置精度がかなり低いことと、データダウンロードのためには装着個体を再捕獲する必要があるという大きな弱点があります。このため、これらの弱点があまり問題にならないような種を調査対象に選ぶ必要があります。


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