標識調査は多くの人々の協力を得て、意義ある調査とすることができることはいうまでもありません。足環のついた鳥を見つけた人が連絡してくれることによって貴重な回収情報が得られるわけです。
そのためには、裾野を広げるための活動が必要です。標識調査の意義を理解してもらい裾野を広げるためには、湿地保全活動で重視されているCEPAの考えかたが大切です。
C Communication 対話(情報伝達):
横の関係を大切にするということでしょう。鳥類研究者、鳥類観察者、生息環境の保全に努めている人たちなど、さまざまな分野の意識の高い人々との交流を大切にすることです。 このようなウェブサイトを充実させることは、このCを可能とします。標識協会大会のシンポジウムなどの場で、関連する分野の方の話を聞く機会を持つことも大切でしょう。
E Education 教育:
環境教育の中で、標識調査にかかわる情報を発信することができます。すでにさまざまな段階の方を対象にする プログラムが考えられます。
PA Participation and Public Awareness 参加 および 啓発 :
啓発を目的とした活動や、啓発ポスターやリーフレットなど。
この部屋の目的は、裾野を広げるための活動のうち、主に啓発活動について扱うものです。
1) 啓発用ポスターなどについて
2) 啓発を目的にした活動例
3) 啓発を目的にした活動例 海外編
1) 標識調査の意義や足環の発見依頼などの啓発ポスターや啓発リーフレット
足環はどういった目的でつけているのか、足環をつけた鳥を発見した時にどこへどのような内容を連絡すればよいのかを示したポスターやリーフレットに関する情報を共有することが必要です。以下、この部屋のイメージのみ述べます。
下記の写真は、福井県織田山1級ステーションの壁に張られているロシアでつくられた標識調査の啓発ポスターです。「なんのために鳥に足環をつけるのか?」といったコピーとともに、ロシア極東部と日本との間でおこなわれている主要な渡り鳥にかかわる標識プロジェクトがロシア語で説明されている本格的なポスターです。1999年の日本自然保護協会のプロナチュラファンドによってつくられたと書いてあります。
こういったポスターを製作者の許可も得て、またどなたかに翻訳していただいて詳しく紹介する(日本における啓発ポスターとしても使えるようにする)といった作業が必要と思います。このような海外で作成された標識調査を啓発するポスターなどの紹介もこの部屋の使命です。
左上:衛星発信機と首輪をつけたコハクチョウ
左中:金属足環をつけたオオジュリン
左下:フラッグをつけたコオバシギ
中上:さまざまなサイズの金属足環と刻印内容
右上:色足環をつけたコクガン
右中:赤い首環をつけたヒシクイ(亜種オオヒシクイ)
右下:色足環をつけたシジュウカラガン(復元計画)
以下のサイトには、兵庫県にある三田市立有馬富士自然学習センターの片岡優子様が作成しセンターに展示しているカワウを中心として標識調査を啓発したパネルを縮小したファイル(PDFファイル)があります。
「カワウの標識調査の啓発活動の例」(バードリサーチのホームページより)
以下の図は、足環をつけた鳥を見つけた場合に連絡して下さいと呼びかけるポスター製作用に滋賀県の植田潤様が描かれた絵です。 この絵をつかって作成した啓発ポスターを今後PDFファイルの形で提供できるようにしたく思っています。
2) 啓発を目的にした活動例
2009年11月14・15日大阪市立自然史博物館で開催された大阪自然史フェスティバル2009
2010年11月20・21日に同博物館で開催された大阪バードフェスティル2010
2015年11月に同博物館で開催された大阪バードフェスティル2015
さらに2016年11月19・20日に同博物館で開催された大阪自然史フェスティバル2016において関西においてカラーマーキングを使った調査を啓発するブースを出しました。
テーマは毎回変えていますが協会のウェブサイトの、カラーマーキングの部屋の内容を
啓発したものです。詳細は以下のサイトをごらんください。
トップページには上記の植田潤さんの絵を使っています。
カラーマーキング鳥類調査グループ・関西
3) 啓発を目的にした活動例 海外編
ヨーロッパの標識機構のユーリングの標識調査紹介リーフレット
http://www.euring.org/about_euring/brochure2007/euring_brochure_2007.pdf