2011大会要旨03

2010年日韓鳥類標識共同調査報告
○澤祐介、茂田良光、片岡宣彦、渡辺靖夫、深井宣男、浅井さやか

2010年度の日韓共同調査は、2009年度と同じ場所である釜山郊外の洛東江河口で実施された。今回の調査は、2009年度よりも1週間早めの開催であったこと、前回は実施できなかったヨシ原での調査が出来たことにより、2009年度とは違った鳥種を放鳥することができた。その調査結果について報告する。

期間:2010年10月26日〜10月31日 (調査は27日から30日)
調査地:韓国釜山広域市沙下区 洛東江河口 乙淑島(ウルスクド)
日本側参加者
茂田良光(千葉県)、片岡宣彦(兵庫県)、渡辺靖夫(滋賀県)、深井宣男(群馬県)、
浅井さやか(千葉県)、澤祐介(東京都)
韓国側参加者
・国立生物資源研究所 脊椎動物部門(Division of Vertebrates Research National Institute of Biological Resources Environmental Research Complex):Kim, Jin Han博士・Kim, Sung-Hyun 博士・Hur, Wee Haeng 博士・Park Ji-eun氏・Son, Jong-Seong氏
・洛東江エコセンター(Nakdong Estuary Eco Center):Kang, Seung Gu氏
・国立公園渡り鳥研究所:小倉豪氏

調査結果
4日間の調査で、新放鳥144羽 再捕獲3羽を含む25種を放鳥した。また、調査期間中観察された鳥類は、74種に及んだ。捕獲された鳥類の中で上位5種は、ミヤマホオジロ(33羽)、ジョウビタキ(32羽)、オオジュリン(22羽)、カシラダカ(12羽)、シベリアジュリン(11羽)であった。2009年の調査は、1週間遅い11/2〜5に行われたが、この時期の捕獲鳥種と比べると、ミヤマホオジロは2009年の調査では329羽捕獲できており、ミヤマホオジロの渡りのピークは、11月上旬であると考えられた。一方、ジョウビタキについては、2009年の調査では17羽と2010年に比べて少なく、10月に渡りのピークがあることが考えられた。その他、2009年には実施できなかったヨシ原での調査を実施したことにより、オオジュリン、シベリアジュリンが少数ではあるが放鳥された。10月下旬ではまだ渡りのピークではないことが予想された。
今後は、2011年の調査結果も合わせて解析を実施することにより、韓国釜山における渡りの概要が解明されることが期待される。

参照
調査地:韓国プサン市郊外 洛東江河口の中洲 乙淑島(ウルスクド)
  ウルスクドを管理している洛東江エコセンター(Nakdong Estuary Eco Center)のホームページ
  http://wetland.busan.go.kr/japanese/05info/04_01.jsp
  英文情報
http://whooper.wwt.org.uk/wli/regional-partners/asia/nakdong-estuary-eco-centre-neec


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