2011年大会講演要旨02

         標識調査から見た瓢湖のオナガガモの性比と幼成比の月別変化

       ○本間隆平・千葉晃・白井康夫・木下徹・山田清(瓢湖標識調査グループ)

  新潟県瓢湖では、オナガガモが例年10月に渡来し3月に渡去する。この間、同じ個体群がシーズンを通して当該地で越冬生活をしているか否かは不明で、性比や成幼比もわかっていない。そこで、これらの点を明らかにするため、2002/03年〜2007/08年の6シーズンにわたり標識調査を実施し、捕獲個体の性比、成幼比、及びこれらの月別変化を中心に調べてみた。

【結果1】調査した各年(6冬季)における捕獲数は、次ぎのとおりであった。
2002/03年:1636 2003/04年:2000 2004/05年:2000
2005/06年:2500 2006/07年:2177 2007/08年:2278

【結果2】性比について調べた結果、渡来初期(10月)は雌・成鳥の占める割合が約70%と高かったが、以後3月に向かって次第に減少することがわかった。一方、雄・成鳥ではこれと逆で、1月頃から3月にかけて比率が次第に高まり、渡去期に当る3月頃には雌雄の性比は、ほぼ同率(約50%)率になった。このような性比の変化は6シーズンの調査でほぼ一貫して認められた。一方、調べた各シーズンにおける幼鳥の性比の変化は、成鳥ほど明瞭ではなかった。

【結果3】上記した高い雌比率が調査方法(餌誘引による捕獲)と関連しているか否かを検討するため、調査地内の本種密集部において野外観察法により雌雄の個体数を数え、性比を比較検討してみた。2002/03年及び2003/04年に行った調査結果から求めた性比はいずれも高い雌比を示し、捕獲を伴う標識調査で得た結果と同様の傾向を示した。つまり、高い雌比は調査方法の相違と関係ないことがわかった。

【結果4】更に、越冬期間中の体調や生活の様子を知る一助として、2005/06年に捕獲した2500羽全個体の体重を測定し,その変化を調べてみた。その結果、10月の渡来初期から12月にかけて約80cの体重増加が認められ、1月に向かって逆にほぼ同量減少することが分かった。厳冬期におけるこの体重変化や索餌行動の様子などから総合的に判断して、この頃当該調査地では本種越冬群の交代が起こっている可能性が示唆された。


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